Zoom in Wappingーワッピング・ローカルヒストリー

ワッピングの歴史

ワッピングはロンドンの東部、タワーハムレット区に位置する行政区。

その地名は、この地域に最初に住んでいたサクソン人で、指導者でもあったWaeppaという人の名に由来します。 テムズ川の堤防の一部に沿っており、その貿易の歴史の多くは水と関連しています。かつては多くのドック(=船が停泊し、荷物の積み下ろしや修理が行われる場所)を有していました。数世紀にわたり、ここで働き住んでいた地元の人々の多くは、マスト製造、船の建造、部品製造などの船関連のビジネスに携わっていました。

ワッピングは第二次大戦中はブリッツと呼ばれるドイツ軍の空襲によって大変な被害を受けました。それに伴い、ドック産業が閉鎖、経済が衰退したものの、現在はテムズ川沿いの高層マンションも建ち始め、ワッピングの長い歴史と融合しています。

Blitz Memorial - ブリッツメモリアル

このメモリアルは、イギリス人彫刻家、ウェンディ·テイラー(Wendy Taylor )のデザイン。鳩のシンボルは、希望を示し、失われた愛する人々の象徴でもあります。

ロンドンの多くの港は、造船産業と経済を麻痺させるため、ドイツ軍にとって戦略的な爆撃の対象となりました。このあたりはロンドンで最も貧しいエリアであり、人口密度も高く、数え切れないほどの爆撃を受けた結果、民間人を含む多くの人が亡くなりました。

’時の流れをテーマにした、ウェンディー・テイラーの作品はロンドン市内で目に留まります。「タイム・ピース」はワッピングエリアから徒歩圏内なので合わせての訪問も⭕️

Wendy Taylor - Time Piece 1973/ St Katherine’s Dock

Wendy Tylor- Tourtoises with Triangle and Time 2000/ Holland Park

 

死刑執行ドック

ワッピングはまた、 400年以上にわたり、ロンドンの悪名高い死刑を執行するためのドックの本拠地であった場所。ー法律を犯した海賊や船乗りがテムズ川に架かる埠頭に吊るされ、そこで絞首刑にされ、その後、伝統通りに、3回の潮の満ち引きで遺体が川の流れに運ばれるまでは絞首台に吊るされたままでした。

 

港湾警察とワッピング

ワッピングは、最初に水上警察を設立した場所。地元の判事が1798年後半に、この地域に停泊した船での犯罪を取り締まるために水上警察を設立しました。長きにわたりこのエリアは荷物の積み下ろしを行う場所であったため、隙を狙ったギャングの溜まり場となっていました。

19世紀に入ると、ドックが別の場所に移動したため、ワッピングは人口の約60%を失ったと推定されています。

しかし、ワッピングは1820年代初頭に再び活気を取り戻します。丁度この頃、マーク·ブルネルが世界初の水中トンネルを開通させ、川の南北の鉄道の行き来が可能となりました。

現在はオーバーグラウンドのワッピング駅として利用されています。

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